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諸般の事情で異例の月末開催となった10 月のDIGITABLE は、あいにく台風直撃が懸念される空模様…。
しかしながら“勉強熱心” な15 名の参加者を迎え、立派な公共複合施設内の会場は台風どこ吹く風?
の静寂な雰囲気。「元々避難場所でやっているようなもので一番安全だ?…」の声もあり、はるか下
界の雨模様や帰りの電車運行が気になりつつも、今回も内容の濃い勉強会となった。
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★ Photoshop 基礎講座(研究編)
「色温度とRGB の関係/ ホワイトバランス」
(レポーター:高木大輔) 今までなんとなく理解したつもりの“色温度”。もともと
は産業革命以来、鉄の大量生産の研究から出てきた概念
のようで、鉄(ないし理想の物質)が熱せられて色が変
わることを絶対温度(単位ケルビン= K°)であらわし
たもの…という原典をあらためて学習。
従来から写真を学んできたものには、右表のようなフィ
ルム時代からのスケールが身近だろう。当会でもRAW
ソフトでの現像設定、カメラ側でのホワイトバランスの
数値設定、蛍光灯による撮影現場や環境光・モニタ設定
の話…とさまざまな分野に登場してきた。
撮影用蛍光灯や環境光の解説で、最近の蛍光灯に関し『昼
光色D65=6700 k°、昼白色D50=500K°…』なんての
も記憶に新しい。
さて、とはいえ我々がデジタル写真で扱う光は全てRGB
で再現されている。学者レベルはともかく、写真愛好家
の対場から平野講師がこの色温度とRGB の相対関係に疑
いを持った?のは、まさに当会ならではの注目点だろう。 |
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続いて平野講師はひとつの写真(撮影時4400K°)からPhotoshop のCameraRAW
で色温度の変更を行い、6500K°・4500K°の二つの写真を書き出しTIFF に保存してSIKY
PIX で開きなおしてみた。オリジナルのままのTIFF 変換も含め、いずれも6500K°の表示となりJPEG
でも同様だったそうだ。
ようするにRAW としての色温度情報のないファイルは全て(中間値の)6500K°をあてはめているだけで、実際の画像の色温度を表示しているのではないことが分かる。(※注:筆者(高木)の記憶によればオリジナルのJPEG
撮影のデータもカメラ側の色温度設定にかかわらず、全て6500K°で表示される筈だ)
また平野講師によれば、オリジナルのRAW(NEF) 画像をPhotoshopとSILKY PIX
で開き比べれば、それぞれ4400K°・4910K°と表示される。尚、オリジナルのRAW
の色温度にPhotoshop で修正を加えてもRAW のまま保存すれば、SILKY PIXなどの別のRAW
ソフトではその値は反映されず、撮影時の4910K°のまま表示される。 |
Photoshop CameraRAW の画面(左)と SILKYPIX の画面(右) |
結局、修正ファイルの色温度については解明できなかったが、それぞれのソフトでの色温度表示の違いや、ファイル形式による色温度情報の切捨てなどがあることは理解できた。
尚、情報として岡山理科大学情報学科の画像処理配布資料に「色温度と三原色」の関係が述べられているので、興味のある会員は参照されるとよいだろうとのことである。
(岡山理科大学情報学科の澤見英男研究室 http://cafe.mis.ous.ac.jp/sawami/ )
平野講師によるホワイトバランス調整の実際トーンカーブのスポイトを使ってそれぞれ白いものが白く見えるように修正。G
を中心にR とB が逆になっているのが分かる。尚G チャンネルは明るさ自体が変化してしまうため動かさない。
解説を行う平野正志講師 |
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事例研究
「PENTAX K10D 使用レポート+Nikon・Canon との実写比較」
両講師ともPENTAX の講師を務める関係から、先月の高木講師によるK100D スーパー実写研究に引き続き、平野講師によるK10D
の使用レポート。比較のためにニコンD200、キャノン30D とライバル機との実写比較というユニークな形で行われた。
平野氏によると「キャノンはR がやや高めでB が低め、ニコンはR とG がやや高め、ペンタックスはBがやや低めで彩度が高い」とのことである。その後Photoshop
のトーンカーブのグレースポイトで3 機種の色調を合わせたところほぼ揃ったが、元々の色調の特徴は残り、一番鮮やかななのがペンタックスK10D、次いでキャノン、ニコンの順だそうである。各会員、用意されたプリントに見入り、納得の様子であった。(記:高木)
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★デジタル事情「Photoshop Eiements 5.0 による快適フロー」 (レポーター:井村奈加子)
前回までフォトショップと言えば、=『AdobePhotoshop CS シリーズ』ということで勉強してきましたが、今回は『Adobe
Photoshop Elements』についての概要の解説となりました。
デジタル写真を活用するためのスタートアップスクリーンには、
1.写真の表示と整理 ・・・ Browser モード
2.写真のクイック補正・・・RAW 現像に近いモード
3.写真の編集と補正・・・・・通常のPhotoshop に近いモード
4.写真から作品を作成
が用意されており、なんだか良いとこ取りの感じです。
私は現在『Adobe Photoshop CS2』を使用していますが、私の使用している範囲が『Adobe
PhotoshopElements』で十分カバー出来る気がして、CS シリーズを購入したときの金額が目の前をちらついてしまいました。
写真の編集方法としてはクイック補正とスタンダード編集があり、CS シリーズより多少簡素化された程度で、使い良さを感じます。
なかでも一番興味を惹かれたのは、スタンダード編集でのカラーカーブ。
これはCS シリーズのトーンカーブに変わる機能で、
@中間調を強く、
Aシャドウを明るく、
B逆光を補正、
Cコントラストを上げる、
Dハイライトを暗く、
Eソラリゼーション
と、6 種類のサンプル画面が用意されており、これをクリックすることで表示されているカラーカーブが変更されます。
また微調整として、ハイライト補正、中間調の明るさ、中間調のコントラスト、シャドウ補正の調整が可能であり、至れり尽くせりの感じです。
私はCS シリーズを使っていますので、逆の考え方をしてしまって、トーンカーブにこんな変更を加えるとこんな画面になるのねぇ〜☆と今更ながらに見入ってしまいました。
「初めは、Elements を使って、必要であれば CS シリーズ に切り替えていく。
それがフォトショップをマスターするためには一番近道かもしれない・・・。」 そんなことをつい考えてしまいました。 |
Photoshop Eiements5.0 の「スタートアップスクリーン」
ここから各モードに入っていく
Photoshop Eiements のブラウザ機能である
「写真整理モード」の画面
Photoshop Eiements の売りの一つ「クイック補正」
簡単な操作で上がりも秀逸
特徴の一つ「カラーカーブ」
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台風が近づく中、今月も熱心な会員・ビジターが集まっ
た(会場の亀戸文化センター:美術室)
私自身、去年デジタルカメラに切り替えてフォトショップに多くの時間とお金を使い、そのため一番大切な写真を撮るということが大幅に少なくなってしまいました。
あくまでも画像処理ソフトは写真を作り上げていくための道具です。 それに振り回されてきたこと(今現在も・・・)を考えると、いろいろな機能がほとんど不足なく装備されている
Elements は、それを解消できる画像処理ソフトだとつくづく感じさせられました。
(井村 記)
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PENTAX のカルチャースクールFOCAL でも
PhotoshopEiements 講座を務める高木大輔講師
Elements 付属のCameraRAW も充分な機能を持つ
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今月の一枚: “習うより慣れろ!”の言葉通り、
早速講師のPC で疑問点を試す本諏訪会員
背後では“美術室”ならではの偉大な石膏像の大哲達
が我々の学習の成果を見守っている?
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