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DIGITABLE 第5回勉強会レポート

2007 年6 月16 日 於:本所会館 多目的室


(初 級) PhotoShop 講座:
「画像のトリミング・AdobeRGB か? sRGB か?・JPEG か? RAW か?」   担当:平野正志
(本 編)
事例研究  :   「副業ネットショップにおけるアクセサリー商品撮影」             担当:山口明夫
RGBセミナー_4 :  「新プラウザソフトの使い方ーLightroom を中心に」         担当:高木大輔


★初級編  PhotoShop 講座:
    「画像のトリミング・AdobeRGB か? sRGB か?・JPEG か? RAW か?」

今回で4 回目となったPhotoshop 基礎講座は、5月末にカナダで撮影された先生ご自身の写真を用いてPhotoshop の検証をされました。すべてRaw での撮影で容量が30GB になってしまったというお話に、1GB = 1024MB、1MB = 1024KB、1 枚7,500KBで計算すると・・・約4200 枚。つい、そんなことを計算してしまい、データをどのようにして持ち帰られたかも、大きな興味のあるところでした。
今回は「画像のトリミング」「AdobeRGBかsRGBか」「JpegかRaw か」の3 項目について解説していただきました。


● 画像のトリミング
 Photoshopでの画像のトリミング方法として、
@ トリミングツール(切り抜きツール)を選択
A 長方形選択ツールを選択後、「イメージ」→「切り抜き」を
  クリック
B トリミングツール(切り抜きツール)を選択後、「前景」を
    クリック 
上記@、Aはピクセル数やピクセルサイズが変更(縦横比は自由)され、Bはピクセル数やピクセルサイズが変更されない(縦横比は固定)と、本当に初歩的なことですが、ひとつひとつの使い方と特徴を理解することができました。
では、これをどう使い分けるか?これが一番大切なことで、本だけでは得ることのできない皆さんのご意見をお聞きできたのが、とてもありがたいことです。

● AdobeRGB かsRGB か


平野講師:今月はカナダ撮影行での自然作品を題材に
第1 回目のPhotoshop 基礎講座での「カラー設定」の色空間の指定が、ここでのことに結びついてきます。sRGB に比べAdobeRGB の方が色空間は広い・・・これは既に学習してきたことですが、ここではプリントによりその違いを確認でき、「色の飽和」について比較した結果の解説により、両者の違いを認識できました。
ただ、AdobeRGBで撮影したものは色空間を正しく出力できるモニターやプリンタが必要となり、今の段階ではコストをかけなければ方手落ちのような気がしています。
・・・ちょっとお恥ずかしい話ですが、「色の飽和」という言葉をはじめて聞きました。勉強会の場では分かった気がしていたのですが、念のため自宅に戻って調べてみると、「白とび」、「黒つぶれ」が輝度に関係するのに対して、「色の飽和」は、彩度に関係していて階調がなくなること?・・・実はまだ正しい理解ができていません。
このレポートを私の復習の場としているみたいで申し訳ありませんが、私以外にも理解できていない方がいらっしゃることを願いつつ(?)、「(半期の)大復習会」での質問とさせていただきます。
● Jpeg かRaw か
いろいろと議論のあるところですが、長所、短所をよく理解し、使用方法まで考え、やはり使い分けをすることが大切みたいです。
サンプルプリントとして、
RAW 現像結果(@ TIFF、A 拡大してTIFF、B PSD、C ピクセル数拡大してPSD、D PSD 後ピクセル数補完、E Jpeg)、F Jpeg後解像度補完以上7 パターンの比較をしてみましたが、はっきり違いのでているものとそうでないものがあり、自分の目で確かめる難しさも知ることができました。
ここでも「NEFファイル」という知らない言葉が・・・。Nikonユーザーでない私が知らなくて当たり前(?)かな?と、ほんの少し胸をなでおろしましたが、ちゃんと知っておくことは必要と感じ、調べてみました。
『NEFとは、撮像素子から得られた12 ビットRAW データと、撮影環境情報や画像処理・調整情報を1 ファイルで扱うニコン独自のファイル形式です。NEFファイルとして保存した画像に様々な調整を加えても、撮影環境情報に画像処理・調整情報が書き加えられるだけで、オリジナルデータの画質を劣化させたり、損なったりすることはありません。NEFファイルは撮影時におけるRAW データの保存形式であるとともに、TIFF、JPEG については、ファイル形式を維持したままNEF で保存できます。』ということです。
また、自宅に戻って上記のパターンをSILKPIX で再現しようと試みましたが、A〜Dの現像方法が分からずに断念・・・。DPPでも同様でした。こちらもあわせての質問点とさせていただきます。
 (記:井村)

★本 編
 事例研究  「副業ネットショップにおけるアクセサリー商品撮影」

今回は、山口氏と奥様より「ジュエリーなどの商品撮影の報告と検討」についてのお話をしていただきました。私自身もネットショップを立ち上げようとしていますので、同じ仲間としてレポートさせていただきますが、技術的なことは来月行なわれる商品撮影を含めた結論編としての記載となります。
まずは奥様よりホームページを立ち上げるまでの経緯の説明がありました。ホームページのデザイン&作成(レンタルショッピングカートシステムを使用)、商品の発注、商品撮影。お話にはでませんでしたが、商品管理も含めて色々なことが山積みで、私は何から手をつけたらいいのか分からなくなってしまった経験があります。奥様のお話に、そのお気持ち分かります!と、ひとりで相槌をうってしまい、自分のことと照らし合わせてしまいました。
そして、本題の商品撮影です。
@ 自宅で撮影コーナーを確保する。
A カメラ:Richoh Caplio GX100。2× 3 フォーマットと1× 1 フォーマットがワンタッチ切り替え、撮影直後に液晶
モニター上で3 枚並べて比較可能などの利点が多く、また軽量化であることが一番のきめてとなったようです。
B 照明:メインはRifa40w。下部からの光は簡易ライトボックスを利用するなど、色々な工夫をこらされています。ここでは色温度の不安定さで悩まされていることを問題点にあげられました。
C 背景:アクリル板を利用して全体の透明感を求めています
  が、使いこなしが難しく、思考錯誤を繰り返えされいるみた
  いです。
ジュエリーは精巧なものですから、細やかな微調整でそのもの自体を生かしたり殺したりしてしまうことの難しさを感じます。低コストの撮影で商品の美しさを十分表現できる。これが最終目標ではあるのですが・・・。
★ 山口氏の質問に対する回答を一部ご紹介いたします。
@ 照明は真上からではなく、後ろ斜めからにして、逆光ぎみに
  撮影する。

山口会員と奥様:協調してビーズアクセサリーのネット
販売にチャレンジされている
A アクリル板への反射は素材、下部からの照明方法を変えることで軽減できる。
B SILKPIX でのRAW 現像の「カラー設定」は記憶色1 が妥当。
C 解像度は72dpi(= 72ppi(pixel/inch)(Photoshop ではdpi = ppi))が妥当。
・・・・・☆・・・・・☆・・・・・☆・・・・・
最近プロの方に「数万のダイヤが数百万に見える写真を撮ったとしたら、返品率が多くなる。」というお話を聞きました。写真は実際とは違った世界があって、私は「写真の魔法」と呼んでいますが、魔法をかけすぎるのもよくないみたいです。とは言っても、写真がすべてのネットの世界では、やはり商品写真のよしあしがお客様の心をつかむ鍵となってきます。
ちょっと蛇足ですが、女性がお店でネックレスを購入するときに、どのような手順でどのような行動をするのかをシュミレーションし、ネットショップでの購入と比べてみました。
@ ディスプレイされているネックレスに目を奪われます。
  (イメージ写真の中に気に入ったものを見つけます)
A 素材などの説明を受けます。(説明文を読みます)
B ネックレスを手にとります。(拡大(詳細)写真を見ます)
C 実際に身につけ、顔うつりを確かめます。
D もう一度、念入りに品物をチェックします。
E そして購入します。(品物を買い物かごに入れ、購入手続きをします)

ネットショップにおいてC、Dは、現在のところできません。見ていいものと身につけていいものは明らかに違っていて、ネットショップではその解決策が今後の課題になると思っています。
モニターの中の商品を手元に引きよせることができないのだったら、自分がモニターの中に入ってしまって、ネックレスの背景が自分の指定する色に変わり(洋服の色が変わることを想定)、その上にWeb カメラからの自分の顔が映し出される。近い将来、どこかでそんなテンプレートを商品化してくれたら、買い手側としてはありがたく、売り手側も売り上げ倍増!・・・でも今以上に多くの商品撮影をしなければいけなくなるのでしょうね!

山口氏のサイト“Cherry Stone”http://cherrystone.jp/


カラーマネージメントを勉強し始めて色を扱うことの難しさをつくづく感じていますが、色相、明度、彩度をより深く知ることで、類似色、補色などの関係、知覚的、触覚的印象の理解度が増し、色彩調和、色彩心理が分かってきて、これもまた売り上げ倍増!に結びつけばいいのですが・・・。
・・・・・☆・・・・・☆・・・・・☆・・・・・
来月は実践をともなったジュエリーの商品撮影となりますので、もっと多くの疑問点が解決できると思っています。レポートは『ジュエリー撮影の決定版(永久保存)』としてマニュアルにできればいいなと思っていますので、よろしくお願いいたします。      (井村 記)

★本 編
 RGB ワークフロー解説_4 「新プラウザソフトの使い方ーLightroom を中心に」

従来のデジタルワークフローに、全く新しい概念が登場しつつある。アップルのAperture(アパーチャー)やAdobeLightroom などのビュアー機能と現像機能を併せ持つソフトである。おりしもカメラグランプリ特別賞をソフトとして初めて受賞し、注目を集めるLightroom を中心に検証と解説が行われた。

●作業環境 
デジタルカメラの高画素化やソフトの高度化により、デジタル写真の作業をするパソコンにも、ますます高度なシステム環境が求められている。
Lightroom に対するAdobe の推奨する作業環境は右表の通りであるが、現状ではデジタル愛好家の全てがこのような作業環境をクリアしている訳でもない。(新しいカメラやソフトを使いこなす度にパソコンを買い換える訳にもいかない。当セミナーで取り上げてきた最近のRAW ソフトなどは、Photoshop などに比べ“割安感”さえ感じられるが、これでは本末転倒である)
ということでプロ写真家の立場として。通常業務ではLightroom などの必要システム環境をクリアしたデスクトップで作業している高木氏も、当セミナーを前に急遽オフィスで数年来使用しているサブノート(通常はメールや書類作成など一般ビジネス用途に使用している)にLightroom をインストールしての“実験講義” となった。
  (※ 2003 年製のSHRP メビウス PC-MC1-30C
    動作環境:mobile Athlon1.53GHz 736MB RAM )
尚、今回は実験的試みでもあり Adobe 社のサイトから試供版を利用、ダウンロードによるインストール後30 日間限定使用が可能である。
最近のこうしたソフトの多くがこうしたサービスを行っており、「購入前に出来るだけこうしたサービスを利用して、自分の環境や使い勝手を納得した上で購入されることをお勧めします」 (高木氏)とのことである。              
●検証:ライブラリー機能
さて「この環境で、実際に動くか?」と懸念されたLightroom だが、まずは実際に動いて一応問題なく使えた!☆ とは言っても、高木氏によれば今回のデモでは次のような自主制限を行った。

@ライブラリーの形成は600 万画素で100 枚程度、1000 万画素ではその半分強とした
A読み込みや作業中に生じる、数秒間のタイムラグを許容する
BノートPC の放熱に留意する、クーリング状態(ファンが回りっぱなしの状態)では作業を行わない
などである。

@に関してはライブラリーはいくつでも形成できるので、“自主規制” に慣れてしまえばさしたる問題ない。もちろん公称の「10 万枚まで管理できるライブラリー機能」によれば、ライブラリーを小まめに分けるなどのみみっちいことはせず、撮った端から何でもかんでも放り込んで、★によるランク付けやカラーラベルによる分類など充実したさまざまの選別機能を駆使して、快適に“Libraryサーフィン” するのが本来の使い方である。
しかしA、Bの制約も含め、仕事の能率至上主義といった観点を捨てれば、自分のペースで撮った作品を、愛情込めていたわりながら整理するといったやり方も悪くない。これとて従来の閲覧、選別よりはるかに快適であり作業性も確実に向上する。
要は写真道としての哲学の問題である。今の作業環境から工夫して使いこなして、近い将来PC 環境が改善すれば尚よし!と思っていただければいいだろう。もちろん600 万画素機のユーザーには使い勝手は一気に向上する。
数年前まで「厳密なポジ評価のために」数万円をライトビューアに投資した身の上としては、それぞれの環境でもそれなりに役に立つ「高性能ビューア」の誕生である。もちろん、試供制度を利用してから購入すれば、なお間違いはない!…とのことである。

●現 像 
Photoshop Lightroom というくらいでPhotoshopとの連携が連想されるが、合成や部分修正等のレタッチ作業までいかない、写真本来の仕上げとしてはLightroom 内で充分に完結できるといってよいようだ。他の多くのソフトで懸案のゴミ取り機能も備えている。
元データを痛めず、何度でも作業できる非破壊編集と充実した比較表示機能を使いながらの現像作業は実に明瞭でかつ高機能、導入初日から誰でも快適に使いこなせそうである。
デモに使用したノートPC 下でも1000 万画素のRAW 現像がまずは問題なく行われた。


高木大輔講師:Lightroom を身近なシステム環境で使い
こなすことを念頭に解説が行われた



メーカー推奨環境(上)と今回デモのノートPC 環境(下)

デモに使用のノートPC でのライブラリー表示

サムネールの表示サイズは自由に拡大できる

いくつでも比較表示ができるコンベア機能 拡大は不可

二画面を比較表示しながらのセレクト作業、拡大も自在

補正前後の比較表示がさまざまに行える これは便利☆

コンタクトシートの作成画面
現像以外にも各種プリント機能やWeb 連携機能が充実
「これじゃあPhotoshop が売れなくなる?」との余計な心配も実感で、高木氏によればPhotoshopの使用率は確実に半減(以下?)したようである。
Lightroom の対抗馬、“Apple Aperture”はルーペ機能が秀逸
今回はメーカーデモビデオによる概略説明にとどまった
結 論
1. プラウザソフトとしては仕事・作品づくりを問わず必定 定番ソフトになり得るだろう
2. 旧式の作業環境でも工夫次第で使用可能な場合も まずは試供を
3. RAW現像に関してもかなり強力で、ワークフローの能率上では最右翼
 しかし、RAW ソフトにはそれぞれの操作感、ティストの違いも大きいので、使用目的とフィーリングの問題も大切で断定は出来ない。とのことであった。
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