★サマースクール2「夏季大復習会_前半:Photoshop 基礎講座編」
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まずは半年間に亘ったPhotoshop 講座のおさらい講義。平野講師のいつものソフトな語り口で、半年間の講義の概略を駆け足で振り返る。 |
“アドビガンマとカラー設定” から始まった当講座も、“ヒストグラムとトーンカーブ”、“JPEG
圧縮”、“16 ビットと8 ビット”、“印刷設定”、“レイヤー”、“写真データ整理法”、“トリミング”、“RAW
画像の基本現像”、“Adobe RGB とs RGB”…と続いた。こうして見ると、講座ではPhotoshop
のみならずデジタル処理の基本ともいうべき部分を押さえつつ、ひとつひとつていねいに取り組んできたのがよく分かる。
これらの大部分の項目については会員たちの理解もよく進んでいるようだったが、“Adobe
RGB とs RGB”の問題については質疑が相次いだ。色域の広いAdobeRGB での作業 |
ソフトな語り口で、半年間の講義の概略を解説する
平野正志講師
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が理想としても、現実のモニタやプリンタ、商業印刷などのデバイス側の対応に依存している現状では「まだs
RGB の方が無難かも知れない?」との意見が多かった。
これらの問題は会員の関心も高く、DIGITABLE として今後も注視していくべき課題だ。
事例研究:1
「(最新デジタル事情)Photoshop CS3 のモノクロ処理」
復習会の前半が修了し、事例研究として引き続き平野講師による「Photoshop CS3
のモノクロ処理」について |
のレポート講義。
CS3 のモノクロにはプリセットとして懐かしい?撮影用のモノクロフィルタのメニューがセットされ、プレビューしながら撮影したのと同様な効果が確かめられる。モノクロフィルム時代に作品を手がけたベテランの会員達にとってはまさに“昔取った杵柄?”
で、ソフトによる実演に各自納得の様子。
Photoshop のこうした本来の撮影行為に近づくようなユーザーインターフェイスの改善が見られるようになったのは、嬉しい限りだ。 |
CS3 のモノクロ処理の出力サンプルに話を咲かす |
平野講師による「Photoshp CS3 のモノクロ処理」資料。一番右が作品化に対する“ビネットの効果”の解説
またモノクロ用の新機能という訳ではないが、最後に作品化に際しての“ビネットの効果(周辺光量)”の解説があり、これにより一段とモノクロの作品らしくなることがよく理解できた。
事例研究:2 「アクセサリー撮影データの処理の実例」
(SILKYPIX を使用して)
勉強会の後半に入り、高木講師による「アクセサリー撮影データの処理の実例」。先月の本諏訪スタジオでの勉強会で撮影されたデータをネット掲載用に現像してみたとの報告である。
商業写真の世界では写真の使用サイズやユーザー側のモニタ環境によっての“見え方”
を考慮し、コントラストや彩度、シャープネスなどの基準(=しきい値)を変えて調整するとの事。ネットなどで小さく表示される写真は小さくても印象に残るよう、意図的に派手にくっきりと仕上げる必要がある。
特にシャープネスは使用サイズによって適正値が全く違うので、例えば仮にネット上で小さくても目立つように処理された写真を拡大して見れば、かなり輪郭のエッヂが大きくなっているのが分かるだろう。
一般の作品においても、作品のサイズによってシャープネスを考慮することは重要と思われる。
その他、“商品写真” としては見せたい形や色がはっきり出ているか?その観点からの補正が主眼になるとのこと。今回もSILKYPIX
を使用して実演が行われたが、高木氏がこのソフトを愛用するのもこうした狙った色のコントロールやパース補正が直感的で使いやすいとの理由によるもの。
特にSILKYPIX のパース補正機能は秀逸で、あたかも商品撮影用の大型カメラでしか行えなかった“アオリ操作”
が、撮影後モニタ上で自在に繰れる感覚で、会員一同も大いに納得の様子であった。 |
高木大輔講師による講義風景。今回もSILKYPIX を使用
して補正の実演が行われた
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高木講師による「アクセサリー撮影データの処理の実例」の一部。全体の色調だけでなく、限られたスペースで商品をより
良く見せるためのパースコントロールなどが行われているのも良く分かる
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★「夏季大復習会_後半:RGB ワークフロー講座編」最後は同じく高木講師による「RGB ワークフロー講座」の復習会。
まずは記念すべき第1回勉強会での“デジタル十戒” が掲げられ、デジタル画像に取りくむ心得を再確認。日頃デジタルの加工技術にとらわれがちであるが、「ピクセルは何も手を加えないのが一番キレイ…」など原点を思い起こす話に一同襟を正す思い。
続いて“RGB ワークフローとは?”、“SILKYPIX の概要”、“RAW 現像のソト別比較”、“新プラウザソフト”
…と進んできた訳であるが、この半年間でも機材やソフトは絶え間なく進歩して、我々のデジタルフローもいやおう無しに対応を迫られている。 |
記念すべき第1回講座での
“デジタル十戒” |
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高木氏の場合も、昨年夏のSILKYPIX、今年春のLightroom の出現により、仕事上のワークフローは完全に一変したそうである。撮影後は主にLightroom
で選別、SILKYPIX で調整というのが基本スタイルでここまでで“納品=完了”
というケースが七割。Photoshop の登場となるのは残りの3割程度に激減したそうである。ただその間の機材の高度化(高画素化※特に枚数を要するスナップ系のカメラも600
万から1000 万画素にシフトしたのが大きい・画素ソフトの多機能化…)により作業時間の改善が相殺されたりPC
環境も整備をせまられ、トータルの時間的には、功罪相半ば…といった実感の様子。
今後当分は、まだまだフローの改善のための勉強が欠かせないようだ…。 |
半年間の講義の中心はRAW 画像ソフトの比較研究で
あった。画面はNikon Capture NX |
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今月の一枚:…暑さに負けず、ドリンク持参で今月も勉強!
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